実際の繰上げ比率はどのくらい?New!
投稿日:2025年12月31日
実際の繰り下げ比率はどのくらいなのでしょうか?公的年金を繰下げ受給すると、1月当たり0.7%の増額となり、70歳で受給開始すると65歳の時に比べて+42%の増額となり、最大75歳まで受給開始を遅らせることができますが、そうすると+84%の増額になります。
現在公表されている統計では、厚生労働省が2023年に出した統計(「令和3年度版厚生年金保険・国民年金事業年報」)によると、年金を受給開始した人の中で、繰上げ受給を選択した人の比率は2%程度でした。一方繰り上げ受給は全体では5%程度ですが、国民年金だけに絞ると、約25%の方が繰り上げを選択しているようです。
でも、ちょっと待ってください。繰上げはともかく繰り下げを選択した人はこんなに少ないの、と感じた方が多いと思いますが、この数字にはトリックがあります。だって、実際に年金を請求した人の中には繰り上げを選択して待機している人は含まれていないからです。
私が年金相談の仕事の中で、繰り下げの請求だけでなく、繰り下げを検討されている方や実際に繰り下げ待機中で、将来の年金の見込み額を相談に来られる方は、徐々に増えています。どのくらいかという正確な数字はありませんが、感覚としては2割程度の方は実際に繰り下げされているのではないかと考えています。
70歳までの雇用が企業の努力義務となって5年目となりますが、65歳以降も実際に仕事を続けている人や、ご自分で会社を経営されている方、ご主人がお仕事をされていて、一定の収入がある奥様などは、繰り下げを選択されているようです。
ただし、厚生年金を受給する方に関しては、特に年下の奥様がいらっしゃる方の場合、奥様手当としての加給年金が年額40万円程度加算されるということもあって、厚生年金は65歳から受給して、国民年金だけを繰下げするという傾向が多いことは否定できません。
私は、今後ますます繰下げ受給を選択される方は増えてくると思います。人生100年をイメージすると、65歳でのリタイアと年金受給開始は少し早いのかもしれません。それに、年8.4%の増額というのは、金融資産の運用と比べても魅力があります。
年金の本来の目的は長生きするリスクに備える保険です。元気で長生きするのが理想ですが、残念ながら人は寝たきりになっても生きながらえることも想定しなければなりません。
それこそが長生きのリスクということになるのではないでしょうか。私は、寝たきりになったときに、自分の子供たちに迷惑はかけたくないと思っています。そのためにも、将来受けとれる年金月額を1円でも増やしておきたいと考えています。そのための最強の手段が年金の繰り下げ受給ではないでしょうか。
年金は早くもらった方が得?
投稿日:2025年12月22日
年金は繰上げて早くもらった方が得だよ。だっていつ死ぬかわかんないんだし。
確かにそうかもしれません。でも少しお待ちください。
年金は通常65歳から受給できますが、60歳以降であればいつでも年金を繰上げ受給できます。ただし、1月当たり0.4%(昭和37年3月以前生まれの方は月0.5%)減額されます。それでも元気なうちに貰えるものは貰ってしまおうという方も最近増えてきました。
一方で66歳以降に受給開始を遅らせると月当たり0.7%の増額になり、最大75歳まで受給を遅らせると84%増額されるという、繰下げ受給という方法もあります。
繰上げと繰り下げは65歳からの受給に比べて損か得かということをおっしゃる方がいらっしゃいます。逆転年齢という言い方で先に受給した場合に、後から受給する方に追い越される年齢の目安のことをそう言います。
そんな時、よく、「いつ死ぬかわからない」と皆さんおっしゃりますね。その通りです。それにはいつ死ぬかわからないから早めにもらった方が得ではという考えが含まれているように思います。
でも、私は、いつ死ぬかわからないからそんなことを基準にして、損得を考えてはいけないのではないかと考えています。早く死ぬと思った人が、実は長生きすることもないとは言えません。
そんな時、一つの判断基準として私が考えていただくのは、お子様(遺産を残す相手)がいらっしゃるかどうか、夫婦二人きりならいずれどちらかが亡くなり、最後に残った方が亡くなる際に、遺産があってもあまり意味がないように思います。もちろん有効な寄贈先を見つけていれば別ですが。
もし、お子様がいらっしゃるなら、遺産として残すことも大切ですが、それ以前に長生きして仮に寝たきりになったとしても、毎月ある程度の年金が入るのであればお子様たちに迷惑をかけなくて済むかもしれない、というように考えてはいかがですか。
私も、まだ、死に直面しているわけではないので、実のところはわかりませんが、やはり、最後に頼れるのは年金だけではないかと思います。そのためにも、月当たりの年金額は少しでも多い方がいいのではと考えています。
従って、日々の生活に困らないのであれば、できるだけ年金額を増やすように繰下げなどもお考えいただきたいと思います。
年金に年間約6万円の上乗せ!!
投稿日:2025年11月6日
年金生活者支援給付金というものをご存じでしょうか。要件を満たせば年金に約6万円が上乗せされるというものです。
まず、65歳以上で老齢基礎年金を受給している人が、世帯全員が非課税で、年金合計額が一定金額以下(令和7年10月以降は約80万円)の場合に、月当たり約5千円、年間で約6万円が加算されます。該当の方は年金事務所か区役所で手続きができます。
また、障害基礎年金や遺族基礎年金を受給している方は、収入要件がなく、一定額が加算されます。詳しくは年金事務所などでご相談願います。
夫婦二人で老齢年金を受給している場合は、老齢年金の非課税額が令和7年12月から、基礎控除の金額がアップしたことから、昨年までは対象でなくても(例えば夫が課税対象の年金額を受給している場合)、今年から非課税になるという場合もあると思います。
ちなみに、昨年までは老齢年金の非課税金額は年間158万円でしたが、令和7年度は205万円(公的年金控110万円+基礎控除95万円)にアップしていますので、200万円程度の老齢年金を受給しているご夫婦の場合、新たに該当してくる可能性があるということです。
ただし、年金額が80万円未満というのは、老齢基礎年金を満額(83万円)もらえない場合であり、そんなに多くはないと思いますので、今年金をもらっている人の大半が受給できるというものではない事には注意が必要です。
具体的なケースを紹介しましょう。夫が定年まで民間企業に勤務していて、妻は専業主婦(若い頃に会社勤めはあるが寿退社している)というご夫婦が、年金だけの収入で生活していた場合で、ご主人に不幸があり、奥様に遺族年金が支給される場合、残された奥様が一人暮らしとなり、しかもご自分の老齢年金が約80万円程度であるという場合、対象になる可能性があります。他にも要件がありますので、詳細は年金事務所等で確認願います。
最近、YouTubeなどで、請求しないともらえないとか、年金事務所では教えてくれない、などと取り上げられているのを見かけます。私は年金事務所では該当の可能性のある方には必ずご説明していますので、そのような誤解をされないように取り組んでいます。
事実婚関係と年金
投稿日:2025年10月26日
事実婚でも年金の恩恵を受けられることをご存じですか。
事実婚関係とは、内縁とも言いますが、婚姻届けを出していない事実上の夫婦関係のことで、社会保険の分野では、事実婚の配偶者にも、婚姻届けを提出した戸籍上の配偶者と同様の効果が認められることがあります。例えば、加給年金の支給要件となる生計維持関係にある年下の配偶者については、事実婚関係の配偶者でも対象となります。ただし、事実婚関係を認めてもらうには、それなりの証明手続きが必要ですので、詳しくは年金事務所にお問い合わせください。
事実婚関係になっている、つまり戸籍上の婚姻届けをしていないのには、何らかの理由があるようです。積極的な理由としては、これまで年金相談の窓口で対応したケースとしては、夫婦別姓が認められないことから、婚姻すると子供の姓も変わってしまうため、例えば子供が大きくなって結婚したときに、学校時代の友人・知人を披露宴に招待する際に、変更後の姓名で招待状を出したら、「あれ?誰だっけ?」となってしまうからという方もいました。
また、事業を営む人が、籍を入れると大きな負債を負ったときに迷惑がかかるから、という理由で婚姻届けを出していないということもありました。
熟年のバツイチ同士のカップルでは、同棲して事実上の夫婦関係にあるが、婚姻届けにはこだわらないという方もいました。
理由は様々ですが、社会保険の分野では、お互いに婚姻の意思があり、婚姻関係と同様の社会的実体があれば配偶者としての保護を与えるべきだという配慮が働いていると言えます。書面よりも実態を重視ということでしょうか。
そこで問題となるのが、同性婚関係です。お互いの意思と社会的実体としての夫婦関係が証明できれば、社会保険関係における配偶者、もしくは生計維持関係が認められるのか、ということです。
同性婚を認めない現行の民法と戸籍法の規定は憲法違反であるという判決が、高裁レベルでは出揃いつつあります。さらに、最高裁でも同性婚が認められることとなると、もしかしたら社会保険の分野でも同性婚の生計維持関係を認めることになりかもしれません。
同性婚関係にあるカップルの中には、積極的に夫婦関係を認めてほしいという方も増えていますが、まだまだ誰にも知られたくないという方もいるように思います。そのようなことも含め、どうあるべきかについては、これからの社会情勢を見ながら慎重に考えなければならない問題だと思います。
年金の繰下げと加給年金の失効
投稿日:2025年9月18日
年金繰り下げ中、加給年金はもらえません。
老齢厚生年金の繰り下げによる増額をお考えの方は、加給年金との関係で悩まれていることもあるのではないでしょうか。加給年金とはわかりやすく奥様手当という言い方で説明することが多いのですが、厚生年金に20年以上加入した人が65歳の時点で年下の配偶者がいる場合、一定の要件の下、その配偶者が65歳になるまでの間、年間約40万円が加算されるというものです。
但し、加給年金を受給するには、厚生年金を受給していることが必要ですから、年金を繰り下げしている間は、この加給年金はもらえません。せっかく繰下げによる増額を目指しているのに、年間40万円程度をもらい損ねることになると、どっちが得なのか慎重な判断が求められます。
繰り下げの場合にもう一つ見逃してはならないのが、在職老齢年金による年金の支給停止です。支給が停止されている年金額は、繰り下げをしても加算の対象になりません。例えば65歳時点で100万円の年金が想定される場合、66歳まで1年間繰り下げると100万円に対し8.4%の繰下げ加算となりますので、108万4千円になります。しかし、在職老齢年金で50万円が停止されている場合は、残り50万円に対しての4万2千円分しか繰り下げによる増額がありません。
繰り下げによる増額を期待する場合は、様々な要素が絡んできますので、それらの諸条件をよく考えたうえでの決断が必要になります。ご自分の年金の見込み額について、正確に知りたい方は、お近くの年金事務所に相談に行くことをお勧めします。
年金繰下げ受給選択のポイント
投稿日:2025年8月21日
皆さんは年金繰り下げをご存じですか。
老齢年金を65歳からではなく1年以上受け取りを遅らせて受給開始すると年8.4%、月0.7%増額されます。このように老齢年金の受取時期を1年以上遅らせることを年金の繰下げ受給と言います。繰り下げには将来の受取額が増えるというメリットがありますが、何歳まで生きられるかわからないからと、繰り下げのメリットに懐疑的な方もいらっしゃいます。
繰り下げをするかしないかの選択をする際、私は次のようなアドバイスをしています。まず、65歳以下の方で、将来の受取方法を検討されている方に対してですが、年金を受け取るまでの基本生活費をどのようにして賄うかを考えていただき、仮に65歳以降も仕事をして収入があり、それで生活が支えられるなら、いつまで仕事を続けるかを基本において、仕事をしている間は繰り下げすることをお勧めします。ご夫婦の場合は、夫の収入と妻の収入双方を考えなければなりませんし、例えば夫は既に年金を受給しているという場合は、夫の年金収入で基本生活費が賄えるかを考えていただきます。
次いで、既に66歳を過ぎて、現在繰り下げ中の方については、年金の受取方法が大きく2つあることをお伝えし、その上で選択していただきます。1つ目は繰り下げにより増額した年金額を翌月分から受給する方法(通常の繰り下げ)と繰下げの増額はなくなるが、65歳時点に遡って、これまで受け取ってこなかった期間をまとめて請求する方法(遡及請求)とがあります。通常は繰り下げによる増額したものを翌月から受け取ることをお考えの方が多いので、問題はないのですが、場合によってはまとまったお金が必要となったり、お体に心配があって、あまり長く生きられないのではと心配されている場合には、65歳までの遡及請求という受け取り方も選択できます。遡及請求は5年分まで遡れますし、70歳を超えている方については、繰り下げみなし※脚注という受け取り方も選択できます。
但し、遡及請求すると、遡った各年度の税金や保険料を、それぞれの年ごとに再計算して、追加があれば控除されたり追加で納付しなければならないこともあるので、遡って請求する場合は、注意が必要です。それでも、例えばリフォームや住み替え、施設への入居費用などまとまったお金が必要だとか、余命宣告を受けたなどの場合は、四の五の言っていられないという状況でしょう。
そして、いずれの場合も選択の際に、何歳まで生きられるかということを考えてはいけないということをお伝えしています。何歳まで生きられるかには答えがないので、答えがないことで悩んでいても何も決められないと考えるからです。ですから、ポイントとなるのは、年金受給開始までの基本生活費をどうやって賄うか、もし、貯金を取り崩しているのなら黙って年金を受け取っていただいた方がよく、お金に余裕があるなら、将来の備えとして年金の繰り下げを第一にお考え下さいとアドバイスしています。年8.4%の運用利回りは最大の魅力ですから。
※脚注 繰り下げみなし:年金は5年以上請求しないと時効にかかりますが、70歳を超えて繰り下げ待期している方については、65歳までの遡及請求は一部が時効にかかってしまうため、時効にならない5年前の時点まで遡って、その時点で繰り下げ増額した金額を5年分まとめて請求するということができます。このような請求方法を繰り下げみなしと言います。例えば73歳0か月の方は、5年前の68歳0か月時点の25.2%増額した金額を5年分まとめて請求できます。
働きながら年金を受け取ると年金が減らされる?
投稿日:2025年8月19日
近年65歳を過ぎても仕事を続けている人が増えています。そこで気になるのが、65歳からの老齢年金の受取を選んだ場合、報酬によっては年金の受取額が減らされるのではないかということではないでしょうか。これは、在職老齢年金(ざいしょくろうれいねんきん)という仕組みで、一か月あたりの年金額と一か月あたりの報酬(給与と賞与の一か月分を合計したもの)の合計が51万円を超えると、超えた金額の半分を年金額から差し引くという制度です。
例えば、年金額が120万円の場合、一か月あたりの年金額は10万円となりますが、一か月当たりの報酬額が35万円で賞与の1年分を合計した金額の12分の一(一か月当たりの賞与額)が10万円だとすると、10万円+35万円+10万円=55万円となり51万円を4万円上回りますので、その半分2万円が年金から引かれ、結局一か月当たりの年金は8万円になるということになります。
この在職老齢年金制度は、せっかく定年後も仕事をしようと思っている人にとっては、意欲を失わせるものとして、批判もされており、令和7年の改正で年金停止の基準となる金額が51万円から62万円に増額されることが決まっています(実際の適用金額は省令などの改定を待ちますが)。
では、なぜ、このような制度があるのでしょうか。正確な制度趣旨は分かりませんが、私なりに考えてみたのは、一定の報酬を受ける方には、年金の受け手ではなく、支え手として貢献していただきたい、そして、少しでも若い現役世代の負担を軽減することに、一役買っていただきたいということではないかと思います。年金は賦課方式と言って、現役世代が支払っている保険料で今の年金受給者の年金額を支えているという仕組みを取っています。従って、現役世代と同等もしくはそれを上回る報酬をもらえる方は、もう少し、年金の支え手として貢献して欲しいという考え方なのではないでしょうか。
仮に、報酬額が高額で年金が支給停止となったとしても、それに応じた保険料を納めていただいていますので、将来受け取る年金額の増額にはつながっていますし、今受け取っている報酬の一部を将来のために貯金しておくこともできるのではないでしょうか。こう言っては何ですが、年金が止められるくらいの報酬はもらえているのだから、もう少し世の中のお役に立っていただいてもよろしいでしょうか、という願いが込められているのだと思います。
老後資金の目安って
投稿日:2025年8月4日
老後資金 2,000 万円問題はご存じですか。
65 歳以降の夫婦二人暮らしで、年金中心の生活をした場合、平均寿命の 85 歳程度まで生きるとした場合に、ゆとりのある暮らしを想定した老後資金が、年金だけだと不足し、その累計額が約 2,000 万円になるという試算です。
これは、年金だけでなく、老後に向けて金融資産等の資金運用を始めるきっかけを訴える意図もあったと思われますが、想定以上に年金制度への不信をあおり、社会問題に発展しました。
ここには、平均的な家庭、ゆとりのある暮らし、平均寿命を生きる、夫婦二人暮らし、など様々な前提があり、すべての人に当てはまるわけではないというあたりまえのことも、あまり深く考えずに、危機感だけをあおっているようにも感じます。
私は、老後の必要資金は一人ひとり違うということを大前提に、その方の年金額、配偶者がいらっしゃれば配偶者の年金額、その他の収入、貯蓄額、金融資産等の元手と、1 ヵ月当たりの基本的な生活費、住居関連費、自動車関連費、 保険料などの支出額を丁寧に見積もり、その方の老後必要資金を正しくご認識いただくことが何より大切だと考えています。
簡単に言うと、65 歳で年金を受給するタイミングで、その後の収入と今の貯金を足したものと、85 歳ぐらいまでの支出見込み額を比較して、足りるかどうかを考えていただくのです。
その時、一番大事なことは、残りの人生をどのように生きたいかということです。充実した老後を過ごすために必要な資金も組み込みます。そのためには、節約しなければならないこともあるでしょう。でも大好きなことのためなら多少の不自由は我慢できますよね。
そうして、お一人お一人の老後を考えること、そのきっかけづくりをさせていただくのが、私たち FP(ファイナンシャルプランナー)の役割だと思っています。
年金の繰下げ受給 実際はどう?
投稿日:2025年8月4日
年金の繰下げをすると、最大で年金額が 1.84 倍になるというのはご存じですか。
これは、通常 65 歳から受給できる老齢年金の受給開始時期を 10 年遅らせて、75 歳から受給する場合の繰下げ増額という仕組みです。
具体的には 65 歳以降 1 ヵ月遅らせるごとに 0.7%ずつ加算されていき、 1 年で 8.4%、 10 年で 84%の増額になるというものです。
ただし、繰下げ受給を考えるにあたって、最も重要なことは、年金受給までの生活をどのようにして賄うかということです。今では 65 歳を過ぎてもお仕事を続ける方が増えています。その給料で生活できるなら、繰下げをして年金額を増やすことは問題ありません。ご夫婦の場合は、配偶者の方の収入や年金額についても、合わせて考える必要があります。例えば、年下の奥様の場合、ご主人の年金である程度生活が賄えるなら、奥様の年金を繰り下げて将来に備えることは有効な選択だと思います。
そして、さらに重要なことは、繰下げ受給の選択に成功や正解を求めないことです。何歳まで生きられるかわからない、と皆さんおっしゃいます。その通りです。そんな時、私がお話しするのは、健康寿命という言葉があって、健康で長生きするのは理想ですが、健康寿命を過ぎても生きている場合のこともお考え下さい、ということです。考えたくないですが、もし、寝たきりになって病院や施設で過ごすことを考えれば、その時頼りになるのはやはりご自分の年金だと思います。 繰下げによる増額は、そんな皆様の不安に少しでも安心できる材料を提供してくれるものではないでしょうか。
もっとも、年金はお一人お一人全く違います。ですから、一般的な考えではなく、是非ご自分の年金額を基に将来を考える機会を持っていただきたいと思います。
そんなきっかけづくりと繰下げ金額の試算に基づく今後の生活設計のと手伝いをするのが、私たちFPの役割だと思います。
第2の人生のスタートの時期は
投稿日:2025年8月4日
雇用延長などにより 60 歳以降も仕事を続けることが当たり前になってきました。それでもやはり第2の人生のスタート時期は 60 歳ではないかと思います。還暦ということもあるのですが、大卒・高卒から 40 年近く仕事中心の生活をしてきて、今度は家族や自分の趣味や特技を生かした生活に切り替えていくのが、60 歳を迎えた時期だと思います。私の周りにも 30 年ぶりの再会だとか、20 年ぶりに趣味を復活させたという声を耳にします。
私は、59 歳で早期退職の決断をし、60歳からは年金相談員としての仕事に携わっております。それからは、30 年ぶりに大学時代の仲間と登山を再開しました。最初は自分の体力の衰えに嘆きましたが、回を重ねるたびに自然とのふれあいと、仲間との友情に心を熱くしています。
年金相談にいらっしゃる方は、まさに第 2 の人生のスタートの準備に来られた方々です。私は、単に年金請求の手続きを受付けるだけでなく、その方のこれまで歩んできた人生を振り返り、今後の人生を考えるきっかけの時間にしていただきたいと思って接しています。ついつい時間を忘れて話し込むこともあり、次の方をお待たせしてしまうこともしばしばですが、最後に「今日は来てよかった」とおっしゃっていただけることが何よりうれしく思います。
お一人お一人の人生に寄り添いたいというのが、私の第 2 の人生の中心テーマです。